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『ポン』

季節外れな季節の風物詩5 ~労働者の権利

五月の風物詩は『ポン』、米菓子のポンか又は麻雀のポンか、その実は橋。

日本で言う所のゴールデンウィーク、フランスのGRAND WEEKEND 大型連休なら5月。週末を挟んで連休にし、どこかへ出掛ける、又は家でのんびり。あまり仕事のはかどらない月。でも”連休にする”とは?つまり、自動的にはゴールデンウィークのような大型連休にならない。『ポン』しないといけない。

フランスの連休事情はというと、まず労働者にとって、ラッキーな年とアンラッキーな年がある。それは、祝日がどの曜日にはまるかで決まる。というのも、フランスでは振替休日が無い。だから、祝日がやたらと土日にはまってしまう年はアンラッキー。有給休暇の日が少なくなるし、普通の週末と変わりない。大いに損したかんじになる。でも振り替えて帳尻を合わせる事はしてくれない。

逆にラッキーなのは木曜日に祝日がはまる年。金曜日に有給を取って4連休にする。ついでに月火水と取れば、前の週の土曜日からで9連休。さらに、その前の週の金曜日も有給を取れば、11連休。さらにさらに…と続くわけだ。これを『ポン』と呼ぶ。休日と休日に橋を架ける。5月は祝日が多く、飛び石連休状態になりやすい。石に橋を上手にかけてやると素敵な連休の出来上がり。

こんなことが会社で許されるのかと疑問に思うかもしれないが、余裕で許される。労働者の権利だから。皆やるし当たり前のかんじ。もちろん前もって交渉しないといけないし、嫌みの一つも言われる可能性はあるが。
同僚フロランスは、彼女のボスに『ポン』で大型連休を取る相談をしたところ、「シャンパーニュを皆に振る舞うならいいよ」と言われたらしい。そのシャンパーニュ、キリット冷やしていただきましたが、ボラボラ島だったかタヒチだったかに行く彼女、それくらいのパンチは浴びせられても平気だろう。しばらく欠勤していたようだが、気がついたらいつもの作業台の前にいた。日焼けと増えたタトゥアージュ以外はいつも通り。

「有給をとるのは労働者の権利」フランス人の旦那様が日本で働いていた頃、会社の日本人ボスに言われた言葉。彼もそう思って有給を使っての連休を申し込んだ。のだが、この言葉の後にこう続いた「だが、義務ではない。」『ポン』失敗、日仏の溝に橋は架からず。

興味深いのは、この”労働者の権利”、日仏で意味合いが大きく違ってくる。フランスでは”権利”なので守られなければならず、転じて有給休暇は義務となる。
銀行で働く知り合いのドゥニーは、ここのとこ会社を休んでいる。だからといって出掛ける予定はないし、手持ち無沙汰で退屈しているそうだ。仕事は順調で乗っている今、仕事を休む理由が彼にはない。でも、一年の区切りとして定められた期日までにその年の有給を使う必要がある。”権利”があるのだから。ちなみに、会社は未消化の有給分を賃金で支払う方法もあるのだが、そうしたくない。だから有給を使う事は、会社と良い関係を保つ上で義務となる。

対照的に、日本では有給休暇を使用できないのが当たり前のかんじかもしれない。こんなことに抗議するためにも、労働の日、5月1日がある。デモ行進、マニフェスタシオンはフランスの十八番、もっとも最近は盛り上がりに欠けるらしい。その話はまた別の機会にするとして、メーデーの日はスズランの日でもある。駅周辺は3メートル間隔でスズラン売りが並び、それこそスズなり。夕方になるとこぞって1ユーロ1ユーロと連呼し、市場の叩き売りのような様相をみせる。でもその甲斐あってか、道行く人の手に手に、スズランの小さなブーケ。

これはそんなかわいい日に起こった、街角の一コマ。

そもそも、たちの悪そうなスズラン売りだったのに、買おうと思ったのがいけなかった。顔が浅黒く、ひょろっと背の高い若者、彼のスズランも一本ひょろりと鉢植えで5ユーロ。「2ユーロなら」それで話がついた。
スズランを受け取りつつ、2ユーロ硬貨を手渡す。が、とっさにこっちは硬貨を離さず、あっちはスズラン離さず。しっかり掴み合って両者譲らず、道の真ん中でがっぷり4つ。力では圧倒的に不利、相手の顔は笑っている。結果、土が付いたのは地面に叩き付けられたスズラン…。

2ユーロはもぎ取られ、スズランも手に入らずじまい。これはくやしい、どうにかして一矢報いてやりたいところだが、さらに後悔することになっても困るので、ここは引き下がっておこう、今日はこのぐらいにしといたろ。それはそうと値切りすぎたのか。

何はともあれ、せっかくの連休のチャンスなのに、出掛けもせずに家の近所で2ユーロを取り合うなんてしみったれている。パリで小さくまとまってる場合じゃない。でも生きてるってかんじ?万歳、労働者階級。

5月は気候も良い、『ポン』して都会を離れたい。山に行けば、スズランもそこら中に咲いている。特別に美しい一本を選び愛する人に贈れば、心に橋をかけるかも。

プチフランス語講座:pont [ポン](橋)
          muguet [ミュゲ](スズラン)

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『やっぱりお花見』

季節外れな 季節の風物詩4 ~フランスの中の日本

四月の風物詩は『お花見』、フランス的には桜の木の下でピクニック。

パリで桜といえばパークドソーparc de sceaux 、桜が見事な公園。そう聞いたからと訪れてみると、ソー公園内は広く、桜の木が植わっているのはどうやら敷地の極一部。日本のように親切に「こちらが桜の場所ですよ」と示す目印など当然無く。なので、どの方向へ歩いて行けば良いのかわからない。
ところが耳をすましていれば迷う事なく行き着けるとくる。耳?鼻ならまだしも、それこそ花の香りがするとかね。なに犬じゃあるまいし。いや、だから簡単な話。日本語が何処とも無く聞こえて来たら、それについて行けば良い。

4月の陽気で公園はかなりの人出。そんな中でも、母国語センサーは、犬の鼻なみにするどく日本を嗅ぎ分ける。というか日本語に反応せずにはいられない。切れっぱしの会話が、ふと横切った香りに気付くように意識の中に飛び込んで来る。

お目当ての桜を特に探すということも無くフワフワ歩く。行楽日和、家族連れも多くのんびりムード満点。そのせいか、リラックスして来て脳がフランス語の解読をしたがらない。耳には、次第に際立って来る日本語、導かれて、無事、桜の木の下へ

そこは、ちょっとした日本人村状態。フランス人もわずかに見受けられる。両者共に、敷物をお尻の下に敷いて、お弁当を食べて、輪になってだんらん中。つまりお花見ですね。パリにいようと花は咲く、申し合わせたように集う姿が微笑ましいではないか。ちなみに、隅っこの方で誰かが木の根方に寝そべってるのを見つけると、大抵がフランス人カップル。ああロマンチックだ。お弁当もお尻の下の敷物もないようだが、酔っぱらって休んでいるわけではない。

パリの日本と言えば、オペラ座近くの rue Sainte Anneサンタンヌ通り周辺、日本関係のお店が立ち並ぶ。寒い日にはおうどんを食べたり、暇つぶしに日本の雑誌を立ち読みしたり、お陰で意外とホームシックにかからない。ちなみにこの地域はジュエラーに言わせると、ジュエリー下請けアトリエ街だ。もっとも、時代とともに多くの工房が閉めてしまったらしいが。街は所属しているコミュニティーによって見え方が違ってくる。

在仏5年目の春、パリの桜も5度目。今や、仕事先で会うのは皆フランス人、歯の詰め物が取れたならば近所のフランス人歯医者へ、妊娠したらフランス人妊婦に混じって出産準備水泳教室へ。関わりを持つ共同体の比重は、日本からフランス社会へと確実に移り…。渡仏直後に語学学校で知り合った日本人友達は大方が帰国した。そして同時にフランス人の友達が出来た。こんなふうに新たな居場所を見つけて行くのだけど、それでもなお、だからこそ在仏日本人社会の存在を感じると心強い。なぜなら、フランスでは移民なのだから。フランスで生きる覚悟をし、まだ死ぬ覚悟はないのだけど…同郷そんな言葉が響きを増し出し。

一般的に言うとフランス人は、『お花見』なんて知らないよってなもんで、桜に対しても特別な感情移入はない。ところが、ここでは文句なくパリ4月の風物詩。誰かさんが見つけたパリだもの。

パリの桜も、日本の桜同様に人を開放感でウキウキさせてくれる。だけど、妖艶さや、不思議なあやうさを感じさせない。桜の下でふと涙が出て来たり、意識が遠のいて、気がふれそうなかんじに落ちることはない。この感覚こそ桜なのだけど、それをフランス人に説明するのは難しい。忘れがちだけれど桜はサクランボウの木の花である。そして大抵のフランス人は、この花のむしろ実の方に興味がある。

フランスでは桜というと日本、エキゾチックなイメージがある。そして石を彫刻しジュエリーを作るのが私の仕事。桜の花をモチーフにするからと、石選びから相談された。そのうちの一つのために選んだ石はローズクウォーツ。一口にローズといっても色合いは様々。ピンクでもなく紫でもない、微妙な灰がかった色合いを提案、それでサクランボウの花ではなくて、日本の桜を作りたいと申し入れた。
以前に手掛けた桜のジュエリーは、オパールローズ製。それはそれはロマンチックで私のボス、”フランス人”フィリップの世界が濃く反映された。だからそれに対して、”日本人”の私、の思う桜を表現してみせたかった。

パリの桜はいずれ、郷愁の桜としてジュエリーになるのだろうか。

じゃあ後でね、と言い合ったお花見のお相手がやってこない。間違いなく桜の下に居るのにな、おかしい。電話をかけると場所を間違っていたらしい。実は、白い桜の庭と濃いピンクのに別れていて、それらは少し離れた場所にある。どうやらもう一つの方に居たらしい。待ち合わせには花の色を確認すべし。それから、残念ながら花の色までは日本語を辿って行ってもわからないので、違う方の色についた場合はおとなしく人に訪ねるべし。それからそれから、公園内の犬は侵入禁止だ。

プチフランス語講座:fleur de cerisier[フルードスリズィエ] (桜の花)
          quartz rose[クワーツローズ] (ローズクウォーツ)
          opale rose[オパールローズ] (ローズオパール)

『ジブレ』

季節外れな 季節の風物詩3 ~春雨じゃ濡れて行こう?

三月の風物詩は giboulée『ジブレ』、この宮崎アニメのような単語の意味は通り雨。そして3月のジブレ『ジブレドマース』は春を告げる雨。つまり春雨なんだけど、日本のように柔らかな霧雨じゃなくてもっと激しい。

にわかに空が暗くなって強いシャワーのような雨を浴びる、と思いきやすぐに降りやみ黒い雲間から青空と光が差し込んで、そこら辺がキラキラ、雨に濡れてしっとり、これがジブレ。けっこうドラマティック。風流なんだけどしみじみ出来ない。
ジブレに遭遇すると軽くビシャ濡れだけどあはは!というかんじ。というのもすぐに乾くし、少し濡れた髪に水滴が光って人も素敵に見えるし、何より春が来てるという実感が心をはしゃがせる。瞳もキラキラ輝くってもんだ。

ジブレのこの急展開具合は、ヨーロッパの春の始まりに相応しい。そんなふうに長かった冬も一気に暖かく明るくなる。暗く重いどん詰まり状態は、2月にピークをむかえもうどうしようもないっと悲鳴を挙げたとたん春の通り雨に会って、そこら中輝いてサマータイム突入でもうバカンスか、仕事帰りにカフェのテラスでビールでも、となるわけ。

おまけに、ジブレの後雲間から差し込む光がまた神々しく美しい。救われた気分…なんちゃって、でもそんなかんじになる。しかし救い、なんて甘美な響き。誰に救われたのか知らないけどこのかんじに骨抜きにされると、辛かった冬なんか元々無かったかのように感じる。来年も確実にやってくるのは知っているのだけど。

そういえば…蟻とキリギリスなんてお話もありましたね。何事に関しても浮き足立った気分を戒めるのは簡単ではない。でも次の”辛い冬”を乗り切るため、以前にも書いたけれどフランスのコメディー映画2、3本も用意しておくと良いのでは、出来れば今のうちに。”備えあれば憂い無し”と言う、けど本当かな?

備えるといえば、傘。フランス人は傘をささない、結構な降り具合の時でも。濡れながら「関係ない」と言わんばかりにタバコに火を付ける。「そんなもんさしてられるか!」ですか?確かに傘を携帯するぐらいなら防寒用にストールか、上着をもう一枚持って出かけようかなと思う。確信犯で傘を家に置いて来る。備えない。そのうち、必要だと探してみてもろくな傘しか見つからないし、いざ出先でさしてみても壊れているか、又すぐ壊れる。軽く風に煽られたと思いきや、さして抵抗なくビニールはベローンと折り返り、骨もグイッッツと折れ曲がり…お見事ブラボー。少し高めの傘を買ってみたんですけどね、困ったことだ。!わかった。そもそもまともな傘がお店に売ってないのが良くない、そう、備えるなんてバカらしい。濡れて行こう。

でも本物の大雨の時、皆が一目散に走って行く中「私は持ってるの」なんて悠々と傘をさすのも好き。鞄からさっと取り出してシャキーン、ベローン。


プチフランス語講座:les giboulées de mars [ジブレドマース]


『デプリム』

季節外れな 季節の風物詩2 ~je suis comprétement déprimée、もうダメ!

二月の風物詩は la déprime『デプリム』、”プリンを型から外す事”かな?料理の専門用語みたいなこの単語、実は気持ちの落ち込み、鬱のことを指す。

パリにいてふと意地悪な自分に気付く。しんどいのだな、と自覚する瞬間だ。通勤帰りのメトロの中だった。

パブに来たのと間違っているんじゃないか?と思うくらい大きな声で話す、縦にも横にもでっかいドイツ人観光客達が、ドカドカ車両に乗り入れて来て、それはもう楽しそうにはしゃぐのだ。心からそいつらに嫌悪を感じて、お願いだから消えて欲しいと心で願った。だけど、私の心は弱りきっていたので怒り続けることさえ不可能で、次の瞬間には涙が溢れていた。確かに迷惑な人達で、何を話しているのか解らないのも癇に障るし。だけどそれより心から楽しそうなのが気にくわないなんて、そんな自分がどうしようもなくて。もうダメ。泣いた。泣いたり、意地悪したり、されたり、文句を言ったり、言われたり。これが2月の風物詩だ。

それというのもパリの空がいけない。智恵子じゃないけど冬のパリには空がない。私のほんとの空には少なくともお陽さんがある。一冬中なんとか持ちこたえた心も、二月に来てもう限界。

ともかく泣いたり、怒ったり、叫んだり、そういう人間的な反応は何かある度毎に出しておくに限る。これが完全に落ちない秘訣だから。でもできれば笑って過ごしたい。

身近で手軽な笑いに、フランスのコメディー映画を紹介することにする。一般的なフランス映画のイメージからは思いも拠らない面白さがある。それにおフランスの”笑い”は鬱対策にかなり有効だ。フランスでは映画に限らず、権威のあるもの程ブラッグユーモアの対象として狙われ、多いに笑われるはめになる。そんな皮肉の効いたフランスの”笑い”が心を癒す。

まずパリ、クリスマスを舞台にした映画『Le Pére Noël est une ordure』サンタのコスチュームをしたホームレスが滅茶苦茶をして周りに大迷惑をかける話。建前と本音が交錯する会話が可笑しい。家柄良し、服装も良し、上品な話し振りの紳士、だけど彼のカトリック慈善活動は見せかけ。育ちの良いその同僚、でもその実態は色気ずいてるかまとと。親切で一見かんじのいいホモセクシャル、だけど不幸ぶりがうざったい。無害そうな外国人の隣人、だけど空気を読まないし、不思議な食べ物を持参する。
お近づきになりたくない人物大図鑑といったとこだけれど、実はこういったタイプはそこら辺中にゴロゴロいる。例に出した最後の外国人なんか、自分でもきれいにはまって、陰で文句を言われてかねない。たとえ親切心でも、保守的なタイプで暇なフランス人相手なら、例えば羊羹などをお土産に持参しない方が身のためかもしれない。おしゃべりのかっこうのネタにされてしまう。既に記した通り1月ならガレットだ、2月に入ってもまだダラダラと売っているのでそれで十分、好意は伝わるし無理矢理に美味しいと言わせる事にも無らない。

次に『東方の三博士』ピント来ただろうか?ガレットの由来になった3人組だ。その名も『trois rois mages』[トワ ロワ マージュ]で意味そのまま。聖書に登場する3人が、現代に現れて赤ちゃんのイエスを探すお話。三人三様に、聖書が語る彼らの人物像に「自分はそんなのと違う」と異議を唱えたりする。ブラッグユーモアたっぷりで、カトリックを随所で皮肉っているのが面白いのだけれど、教会が抗議したりしないのかと思わず心配してしまう。

戦争だってコメディーになって皮肉られている。『La vache et le prisonier』には、まったくやる気のないフランス人兵士、まじめすぎて機転の利かないドイツ人兵士、長いものには巻かれろ主義でおべっか使いの商人などが登場する。ドイツ軍に捕まったフランス人捕虜が牛とフランスに逃げ帰る話。潔くよくお国のために死ぬより、適当に巧く切り抜ける方が性に合うと宣言している。

『Soupe aux choux』は、おならで宇宙人と交信して、キャベツのスープで惑星に革命を起こす話。フランス人は革命を誇りに思ってるから、宇宙でもフランス人が出かけて行って活躍するつもりなんだろう。バカバカしい設定の中に田舎の開発や、意味なくあるお金や、若さや、まじめすぎる事らへの皮肉と批判精神が溢れている。宇宙人との交流も、フランス人が描くと隣人をもてなすのと大して変わらない。庭で穫れたキャベツのスープにワインで十分!農民にとっては宇宙人も外国人みたいなもんで、プルプルプル、プル!しか言わない宇宙語に、合いの手をうって「そうだろ、うまいだろう!」これで解り合えている。

フランス映画ならコメディーに限る。おしゃれじゃないのもいい。

おしゃれと言うと、塞いだ心へビジューティエだけに提案したいのはキラキラしたものを身に着けること。そうすれば、天気が悪くても自家発電のごとく光を放って身近な人も喜ぶ。”君は僕の太陽だ”とは良く言ったもので、実に的を得ている。だから、自分のパートナーに贈って着けてもらうのもいい。それにキラキラしたものをプレゼントされたら太陽の機嫌が良くなること請け合い。

そうですねお勧めは、キラキラの王様ダイヤモンド、太陽を思わせる黄色のシトリン、アンバー等でしょうか?これをペンダントやブローチにして、皆に見えるように着用しましょう。
騙されたと思ってやってみるべし、泣いたやつが言うのだから。キラキラしたものが2月の風物詩に加わる時は近し。


プチフランス語講座:la déprime[デプリム](落ち込み、鬱)
          le diament[デイアモン](ダイヤモンド)

『ガレットデロワ』

季節外れな 季節の風物詩 1 ~大人も子供も盛り上がる

一月の風物詩はお菓子のgalette des rois『ガレットデロワ』。

お正月明け、街中のパン屋さんにいろいろな大きさのガレットが所狭しと並べられる。紙で出来た金色の王冠のデコレーションが存在感を発揮する。またガレットの季節が来たなとしみじみ、ガレットデロワはアーモンドの練り物が入ったパイ。皆で切り分けて食べる。中に陶器の小像、フェーブが隠してあり、宛てがわれた分にそれが入っているとその場の王様になるという趣向付き。人数に合う大きさのを用意し、学校で仕事場で家庭でといろんな所でいただく。

お待ちかねのでデザートの時間、子供はうれしそうにテーブルの下へ潜り込む。ん?こうやってケーキが見えないようにしてから、切り分けたのが誰の物か指定するの。なるほど。「これは誰の?」「それはママの」「じゃあこれは?」「僕の!」そしてなぜか”僕”のや”私”のにフェーブが入っている。
だからこんな愉快な日には、どうぞいたずらをして両親に怒られないようにして欲しい。じゃないとデザートが罰としてお預けになってしまう。”デザート無しですよ!”フランスではこうやって両親は子供を躾けるのだ。でもそうなったら大人だってがっかりだ。

ガレットを食べて自分のケーキにフェーブが入っていたら、王様なので冠をかぶって直ちに命令しよう。「パトロン、月給の支払額の末尾にゼロを一つ増やしなさい。」そうしたら、田舎に大きな庭の付いた家を買う。

ガレットは皮はパリパリ、中はしっとりが美味しい。毎年、その年のガレットベスト1とワースト1が選ばれる。日本でもフランスでも有名なパン屋P***がワースト1に選ばれてた年もあったかな…。

お味は重要だけど、それはさておき興味津々なのはフェーブの方。せっかく手元に来たフェーブ、お口の中で発見するかもしれないが、こってり系の餡がしっかり貼付いているのでそれをこそぎ取って、そして良く見てがっかり。あるいは、とっても素敵で「ワー」なんて周りから歓声もあがり、でもどこかからか「妻がコレクショナーなんだ」なんてのも現れて欲しいとせがまれる。

もし私がフェーブのデザインをするなら、…大好きな椿の花をモチーフに、色とりどりでキッチュ、シンボリックでエキゾチックなフェーブを提案する。真っ赤な一重の薮椿、ピンク地に白い絞りの八重、筒芯の黄色が映えるまあるい白椿…フランス人マダムも「カメリアジャポネ!」なんてうっとり夢中になるはず…もちろんかわいいアクセとしても使えるように紐を通す穴もつけるつもり。
…それから、そう!別のアイデアも浮かんだ!肌の色や、目の色、髪の色の違ういろんな赤ちゃんモチーフのフェーブもかわいい!バラ色の頬に明るい緑茶色の目の男の子、褐色の肌に丸いちいさな鼻、眠っている女の子…
そして…そして、これ以上は本当に依頼されてから続けるとにしましょう。例えばLADUREEとかに!パティシエLADUREEは様々な分野のデザイナーとのコラボレーションでいつも楽しませてくれている。最近ではラクロワ、ルブタン、マルニ、セファラ。

それからビジューティエとして見逃せない話の種は、新しいタイプの特別なフェーブについて。クラッシックなフェーブは陶器製、でも最近では金属製フェーブの入ったガレットデロワが売れ出されて、”ダイヤモンドのフェーブ”なんていうのも話題になった。でも実はフェーブがダイヤモンドの引換券になっていただけでダイヤがお菓子の中に入っているのでは無かった。「なんだ、夢のない」とがっかりしたもんだけど、そんなことならいっそ、本当にダイヤモンドジュエリーを入れたとびきりLUXなガレットデロワがあっていい。本末転倒の発想ではあるけれど、本物のジュエリーがフェーブに変身すればストーリが出来て面白い。フェーブが先でもジュエリーが先でも、どちらにしても大切なのは遊び心。
また金属製フェーブなら、金の板にマリア様のようなクラッシックなモチーフをサラリと彫ったものはどうだろう。適度な伝統との距離感は道楽をも上品な趣向に仕立ててくれる。シックなパーティーに。

ちなみに、最後の最後になってしまったが、このガレットデロワ、そもそもの由来はさかのぼることクリスマス。キリスト生誕にあたり3人の王様 ”東方の三博士” が贈り物をもってお祝いに駆けつけた事に端を発する宗教行事なのだ。皆パイを食べてこの行事を楽しむわりに、その背景についてあまり知らないのだけれど。

プチフランス語講座:le camélia[カメリア](椿)







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